【出席者】9名
包括的性教育推進法の制定をめざすネットワーク事務局
2024年度 第2回事務局会議録
~包括的性教育推進法の内容を検討しつつ、包括的性教育の必要性の共有を~
2025年1月30日報告
出席者:9名
<事務局長より>
『今日の日本の政治状況は、新たな政治の可能性を持つとともに、より反動的な政治が勢いづく状況も見られます。国会の状況次第では選択的夫婦別姓制度の導入の可能性もあれば、戦争準備体制の広がりや SNS での“恥知らずな常態化”という実際もあります。こうした現実に対応することも私たちの課題として受け止めなければならないと考えます。
また、学習指導要領の改訂作業が本格的に進むなかで、どのようなアクションを創っていくのかも大きな課題といえます。言うまでもないことですが、いわゆる“はどめ規定”の撤廃は私たちの当面する運動の優先課題です。学習指導要領の改訂作業のプロセスでどのような運動を進めていくのかを諸団体との連携を進めながら、連帯運動を形成していきたいものです。
第2次ドナルド・トランプ政権は、2025 年 1 月 20 日にドナルド・トランプが就任して発足しました。大統領就任直後の数時間以内に、連邦政府におけるDEIの取り組みを打ち切り、多様性プログラムを廃止するとともに、関連部署や役職を撤廃する大統領令に署名。バイデン前政権下で出された 10 本を超えるDEI関連の大統領令も破棄したのです。
DEI とは、Diversity(多様性:個々の多様な背景や特性を尊重すること)、Equity(公正性:すべての人に公正な機会を与えること)、Inclusion(包括性:人々が不当に偏った状況におかれることなく受容)の頭文字をとった用語で、これまでの人権拡充の人類の歩みを全面的に覆すトランプ政権による逆流の発動となっています。
こうしたアメリカの政策動向が日本に影響を与える可能性が大きいこともこれまでの歴史をみれば明らかです。こうした情勢を踏まえて、どのような活動を模索するのかが私たちに問われています。
今後の事態、情勢を予測しながら、“恥知らずな常態化”にどう対抗していくのかという学びの企画も必要になっていると考えます。
トランスジェンダーの方へのバッシング、包括的性教育・ジェンダー教育への攻撃なども予想されるなかで、2度とあのような性教育バッシングを許してはなりません。この時期に、何を企画してどのような取り組みをするのかを考え、具体化していくことに努力したいと思っています。
戦後80年のこの年を意味ある1年にする運動を微力ながらすすめていきましょう。』
〇この提言を受けて意見交換が行われた。
協同できる他団体との連携の必要性
学習指導要領の改訂作業の過程においての働きかけが重要で、間に合うように準備し始める。
学校現場は学習指導要領に縛られている状況の中で、どのように“はどめ規定”の撤廃を目指すのか。
例えば第3回集会に学習指導要領のことを取り上げてもいいのではないか。
など様々な意見が出された。
1.連続リモート学習会の企画
すでに依頼をしている学習会以降の予定
第4回学習会(包括的性教育を学ぶ企画) 2025年2月22日 井上惠美子(共同代表)
第5回学習会(法制度を学ぶ企画) 2025年5月 藤井豊弁護士(共同代表)
日弁連の包括的性教育の報告について
第6回学習会(京都ですすめられる包括的性教育を学ぶ企画) 2025年7月
関口久志(共同代表)、渡邊安以子(助産師)
第7回学習会(アルゼンチンの包括的性教育法を学ぶ企画) 2025年10月
☆第3回「包括的性教育」の実現をめざす集会&第3回総会 2025年11月15日(土)午後に決定
会場:エデュカス7階集会室
〇第8回も含め、今後の学習会についても関心事、魅力ある企画とはなど意見交換がなされた。
2.包括的性教育実践の連続講座の企画
ネットワーク連続学習会について
企画タイトル(12 月打ち合わせにて決定)
『聞いて聞いて、私の実践!~学校教育における包括的性教育~』
企画主旨
これまでネットワークでは「連続学習会」として、日本国内および諸外国の包括的性教育(を支える制度)について講座を開催してきました。
しかし、まだまだそのような制度(立案)と、すでに行われ蓄積されてきた包括的性教育実践とのつながりがあまり理解されていないように思います。
そこで、包括的性教育実践について「このような実践が(すでに)行われていますよ!」という具体像を知ってもらう機会を作り、「このような実践を全国に広げるための制度的基盤が必要である」という課題意識・機運を醸成する機会を「連続講座」として行いたいと思います。
スケジュール(今年度)


3.都議選に向けてのとりくみ
~懇談と政党アンケートへの協力の要請&都教委へのアンケート~
東京都選挙管理委員会は1月 22 日、定例会を開き、7月22 日に任期満了を迎える都議会議員選挙の日程を協議。その結果、6 月13 日告示、22 日投票で即日開票することを決定。
《とりくみの意義》
子ども・生徒の性をめぐる現状や社会のSNSなどの性情報に関する現実をどう考えるか
性教育バッシングの中軸を担ってきた東京都の性教育の方針の現状を明らかにすること
元・七生養護学校への介入の理由は肯定されるのか
包括的性教育に対するどのようなスタンスをとるのか、その理由の確認
今後どのような性教育を推進する方針を各政党、都教委が持っているのかの確認
「いのちの安全教育」で性教育はできていると考えるのか、不十分と考えるのか
学習指導要領におけるいわゆる“はどめ規定”は継続して必要と考えるか、撤廃すべきと考えるか
その他
※アンケート項目・内容の検討を始める
朝日新聞で掲載された政党アンケートは、各政党のスタンスが明確になり、今後の運動を創っていくうえで共通の認識になっている。アンケート内容は、事務局3役で検討する。
4.国会と自治体への懇談の申し入れ
―1)、2)、3)の課題は分担して連絡をとる
1)こども家庭庁:性教育をどのようにすすめることが予定されているのか
包括的性教育、国際的なスタンダートとなっている「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」をどのように活用することにしていくのか
2)文科省:ほかの団体との共同行動の形で申し入れるようにする方向で
他団体との相談しながらすすめたい。
3)自治体:杉並区、世田谷区、品川区への申し入れ
5.性教協とのとりくみ内容の機能的な分担をどのようにすすめるか
「包括的性教育」にかかわる団体・個人と繋がりながら様々な形での学習会、総括的な学習会・総会としての集会、国・各自治体に向けた「包括的性教育」理解を拡げ進めていくことが今年の主な取り組みとなる。
1)の連続講座に関わって、今後少人数の事務局での運営のなかで、ネットワークが主体となってどのような取り組みをしていくのかについての検討を、性教協との役割分担をしながら進めていくことが課題として提起された。
6.事務局メンバーの増員が急務
現場と研究者、市民の方々、若い人たちの参加を組織していくことで、世代継承も意識しながらある程度長い見通しも立てていくことが必要。
7.会計の報告
2024年12月26日現在の会計報告(横尾さん)
昨年度との収入額差は、ネットワーク立ち上げの際のカンパ額差が大きかったため
8.その他
次回ネットワーク事務局会議予定 : 2025年2月27日(木)19:30~
2月22日(土)第4回学習会(井上惠美子さん)の申し込みをお忘れなく!