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- 第2回ネットワーク事務局会議の報告_2024/02/16
1 包括的性教育推進法の制定を目指すネットワークの本格的な活動展開の始まりとして ① 2/1日本共産党都議団との懇談(都議7名都議団事務局の方々、ネットワーク事務局4名) ② 2/6日本共産党国会議員との懇談(衆参国会議員5名、党事務局の方々、ネットワーク事 務局6名)の2つの懇談会を開催し、下記の項目が話し合われた。 ・教材・教具の返還に関する取り組みの相談(米倉都議と) ・議員と都民を対象にした都民集会の企画化 ・包括的性教育推進のための条例作り(世田谷、杉並等) ・院内集会の企画協力の窓口設定(吉良議員事務所) ・他団体との連携の必要性もアドバイスされた ※具体的様子については、当日参加者のコメントをご覧ください。 2 2月、3月の取り組み、課題について ① 新規就任の共同代表についてー正式確認 ・関口 久志氏(性教協幹事、元京都教育大学教員) ・窪田 之喜氏(弁護士 日野市民法律事務所、元七生養護学校事件弁護団) ② 都教委への没収教材・教具の返還、情報公開請求の検討 ③ 政党回りー立憲民主党、社民党、維新、れいわ新選組党にも ④ ネットワーク入会への働きかけーパンフレット作成 ⑤ Change.Orgのオンライン署名の広げ方 ⑥ ホームページの充実 ・会則の掲載 ・事務局会議の報告 ・活動報告(政党懇談等) ・ネットワークの紹介パンフやホームページを見てもらうための宣伝の仕方(メールマガジンのような) ・持ち回りコラム ・教材・教具の現状報告 ・絵本「からだうた」の宣伝 ・原稿の集約と分担について 3 ネットワーク事務会議の定例化・日程 ① 基本は毎月開催―3/8(金)19:00~.4/19(金)19:00~共同代表を含めた運営委員会(年間2~3回).5/10(金)19:00~ 4 連続学習会の企画―日程・内容に関して議員さんにも呼び掛ける ① 各国の包括的性教育等に関する法制度と実践の学習会 リモートを基本に、参加費:1000円(ピーティックス利用) 第1回学習会 4月福田和子さん 北欧の性教育に関する法制度に関する報告 第2回学習会 5月または6月 樋上典子さん(中学校教諭)の包括的性教育の実践 第3回学習会 9月池谷壽夫さん ドイツの性教育に関する法制度に関する報告依頼 第4回学習会 11月16日集会 ※第2回ネットワーク総会 (ハイブリッド) 1部はシンポジウム形式で若い世代にも参加してもらう 第5回学習会 2025年2月 藤井豊弁護士(共同代表)-日弁連の包括的性教育に関する報告 ② 関西での学習会企画 ③ 11/6集会の企画検討・第2回総会 5 行動計画の策定(都議会の会場で議会内集会、政党への訪問、文科省・こども家庭庁へのアクション、その他) 1)都教委・都議会への働きかけ-3月ないしは4月 絵本『からだうた』の紹介と七生の「こころとからだの学習」の公開模擬授業の企画 終了後、都議のみなさんと質疑応答・意見交換 2)3月~5月-政党訪問 3月-国会の各政党・会派への訪問 3)5~6月-文部科学省との意見交換 4)8~9月-こども家庭庁との意見交換 5)院内集会の開催 ※状況を見て判断 シンポジウムのような形がよいか、あるいは現場からの報告などもどう組み込むか 各政党からの発言 6 総選挙(および参議院議員選挙)に向けて、政党アンケートの準備 ※包括的性教育にポイントを絞って、アンケート項目の作成 7 オンライン署名の拡げ方 8 ホームページの運営 9 会員の獲得 ※「ネットワーク紹介パンフ」の配布と訴えを 10 財政の課題-安定的な財政、カンパの取り組みなども 11 ネットワーク紹介パンフの作成 12 その他 ① 絵本『からだうた』(エイデル研究所)の出版の時期 3月出版! 都民集会でアピールできたらいい ② 『なぜ学校で性教育ができなくなったのか』(あけび書房)の普及
- 声明🎤 教育の現場で“あってはならないこと”を許さず、教育実践の創造的発展を希求します
自由の風が吹いてこそ教育は発展する 2024年1月に、奈良教育大学附属小学校の授業が不適切・法令違反ではないかという報道がなされ、奈良教育大学より「奈良教育大学附属小学校における教育課程の実施等の事案に係る報告書」(2024年1月9日付け、同年1月17日公表)が発出され、1月19日には文部科学省が附属学校を設置する国立大学法人に対して、今年度中の確認・点検等を要請する通知が出されました。 同大学付属小学校で実施していた子どもの現状と学びのニーズに即した教育課程が学習指導要領に照らして「不適切」として、同小学校の教員を大量に他校に出向させようという方針が示されています。さらに現時点においては、「人事交流」という名目で、同校教員を強制的に「出向」させる方針を発表しています(後述)。 しかし、同付属小学校の教育実内容は、「『子どもの実感』をとても大事にしている授業。子どもの『わかり方』とか『感じ方』を、しっかりつかんで指導されている。それができているからこそ、子どもたちを中心にして教育課程の工夫ができています。子どもたちの実感を先生方がつかむ努力だけでなく、自分の実感を言語化するように子どもたちを励ます指導をされています。それによって子どもたちは、自分の意見を述べ、話し合うことで、理解を深め、納得できています」奈良教育大学付属小学校編、川地亜弥子(神戸大学)解説『みんなのねがいでつくる学校』クリエイツかもがわ、2021年)と、付属小学校の特徴をまとめています。 教育実践には、教職員集団の研究的実践と実践的研究の両輪が求められます。そのためには創造性をゆたかにはぐくむ環境と条件が必要です。教職員集団のなかで自由な議論が生き生きとできることで、教育課程が時代と子どもたちの学びの要求に応えられる展望を拓くことができるのです。その点からも管理職を含めて教職員集団として真摯に議論する教育現場に自由の風が吹いていることが求められているのです。生徒たちもそのさわやかな風をいっぱい胸に吸いこんで、のびのびと学校生活を楽しむことができるのではないでしょうか。 これまで積み上げてきた奈良教育大学付属小学校の運営と教育実践のゆたかさを守り発展させるための努力こそいま求められているのです。 強制的「出向」=処分であることは明白です 2月29日、奈良教育大学 学長 宮下俊也名で公表された「奈良教育大学附属小学校教員の人事交流について」では、「奈良県内の公立学校及び奈良女子大学附属学校との教員人事交流を実施」するものであり、「本校からの異動は「出向」として他校等で研鑽を積むことを目的とするもので、今回の事案に係る処分ではありません」と説明しています。 しかし、1月17日の「奈良教育大学附属小学校の教育課程に関する不適切事案のお詫び及び報告書について」では、宮下学長は「正義を教え尊ぶ教育機関であり、さらには将来の教師を育成する教員養成大学附属学校でありながら、その使命と責任を果たすことができなかったことは、学長として慙愧に耐えません」とまで表明し、同付属小学校の小谷隆男校長は「保護者・児童の皆様の信頼を失うことになってしまいましたが、今後は、法令遵守を心掛けることを大前提とする中で、職員一丸となって地域のモデルとなるような研究を進める優れた小学校をめざし、一から努力を重ね皆様の信頼を取り戻す所存です」という表明をしています。同付属小学校の教職員集団が「法令順守」を大前提としていなかったという校長としての判断があることを述べています。 なお、こうした声明を公表した小谷校長が「本校の教員は子どもに対して実に丁寧にきめ細かく指導していたことは間違いなく、驚くほど前向きに自分の言葉で話せる児童が多いことも事実です」と表明していることも申し添えておきます。 こうした態度表明を読んでも、同校教員の「出向」が「今回の事案に係る処分」ではなく、「『開かれた学校』『開かれた教育課程』『多様性と包括性』を実現させる」ための「人事交流」であるとは到底理解できるものではありません。 七生養護学校事件を繰り返させてはならない! 今回の出来事は、学校現場の協同的な運営と創造的な教育実践を一方的に否定するという点で、七生養護学校事件と本質的に共通しています。 2003年7月、東京都議会で突然、土屋都議(当時)から「公立学校における逸脱した性教育」が行われているという質問があり、「からだうた」の歌詞などを取り上げて、七生養護学校の性教育に対して、集中的な攻撃が加えられました。七生養護学校の「こころとからだの学習」を「過激性教育」とレッテルを張り、校長も含めた教職員と保護者が協力して創ってきた性教育を破壊したのです。それは性教育だけでなく、子どもと真摯に向き合い、教職員集団として話し合いを繰り返すことを大事にした学校づくりそのものを壊しました。 その実践内容は、過去に校長会・教頭会で2年度に渡り報告し評価されてきた実践でした。そうした事実があるにも関わらず、突然、土足で現場に介入し、教職員、保護者、子どもたちとのやり取りもなされないままに「不適切教育」のレッテルが張られたのです。その後も強権的で一方的な管理が進み、翌年には希望をしない教員も含め1/3が異動となり、3年後にはほとんどの教員が他校に配置転換されるという事態になりました。民主的な学校運営を壊すことを、石原都政と都教委は画策してきたのです。本ネットワークの目的のもとに参集している会員の多くは、「包括的性教育をすべての子ども・若者者とともに、あらゆる年齢」(「会則」第3条)の人たちのなかで花開かせることを願って学習と運動をすすめてきました。同時に包括的性教育を発展させる基盤としての学校づくり、社会環境の改善にも努力してきました。 今回の出来事と本質的に共通する強権的な教育現場への介入に対して、「こころとからだの学習裁判」(2003年7月4日に、都立七生養護学校(当時)に3名の都議、都教委が「視察」を理由に、性教育の内容と学校運営に介入したことに裁判が行われた。詳しくは、本ネットワーク編『なぜ学校で性教育ができなくなったのか 七生養護学校事件と今』あけび書房、2023年を参照)として10年にわたって闘ってきました。 2011年9月16日、東京高裁判決は、原判決(東京地裁)に続いて、七生養護学校の教育に介入した都議の行為と、それを黙認し、多くの教員に厳重注意処分を発した都教委の行為を違法として損害賠償を命じた判決を言い渡しました。判決は、学習指導要領について、基準性を拡大して、「一言一句が拘束力すなわち法規としての効力を有するとすることは困難」として、「教育を実践するものの広い裁量」を強調し、学習指導要領について「教育現場の創意工夫に委ねる度合いが大きいと解することができる」と述べています。2013年11月28日に、最高裁で、上告の受理申立てを棄却する決定を行い、三度目となる原告勝訴判決が確定したのです。 最高裁で確定した判決内容にも奈良教育大学附属小学校の教員の強制的な「出向」「人事交流」の方針は、七生養護学校事件の判決内容を踏まえて考えると、合理性のない権限の濫用といわざるを得ません。 私たちは、学校における教育課程の創造的実践を花開かせ、多様な子どもたちにあった、よりゆたかな教育をしたいという学校・教員の創意工夫を支援する法制度、政策、教育行政、学校運営のあり方を心より希求するものです。 2024年3月26日 包括的性教育推進法の制定をめざすネットワーク事務局
- 📚『実践 包括的性教育 ─『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』を活かす』
書籍名 実践 包括的性教育 ─『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』を活かす 著者 樋上 典子(ひがみ のりこ) 1958 年、東京生まれ。都立養護学校(現特別支援学校)で9年、足立区内の中学校で30年、保健体育科教員として勤務。生徒の変容をみるのが楽しく、35年間性教育にこだわり、試行錯誤しながら大学の研究者とともに12年間、包括的性教育実践を積み重ねてきた。2021年3月に退職し、現在は、中学校時間講師として勤務する傍ら、関東学院大学非常勤講師として学生に性の学びを届けるなど、性教育を広げる執筆活動、中高生への講演を積極的に行っている。一般社団法人"人間と性" 教育研究協議会事務局長。 艮 香織(うしとら かおり) 宇都宮大学共同教育学部教員、一般社団法人"人間と性" 教育研究協議会幹事、『季刊セクシュアリティ』(エイデル研究所)編集委員。専門は、性教育、人権教育。著書に『性教育はどうして必要なんだろう?―包括的性教育を進めるための50のQ&A』(共編、大月書店、2018)、『新版 子ども家庭福祉』(共編、建帛社、2019)、『人間と性の絵本(4-5巻)』(単著、大月書店、2022)などがある。 田代 美江子(たしろ みえこ) 埼玉大学教育学部教員、一般社団法人"人間と性" 教育研究協議会代表幹事、『季刊セクシュアリティ』(エイデル研究所)副編集長。専門は、ジェンダー教育学、近現代日本の性教育史、ジェンダー・セクシュアリティ平等と教育。著書に『教科書にみる世界の性教育』(共著、かもがわ出版、2018)、『マンガ アイはあるの ? 〈 性〉について考えてみよう、話し合ってみよう』(エイデル研究所、2021)、監修本に『みんなで考えよう!「性」のこと(1~ 3巻)』(金の星社、2022)などがある。 渡辺 大輔(わたなべ だいすけ) 埼玉大学基盤教育研究センター教員、一般社団法人"人間と性" 教育研究協議会幹事、『季刊セクシュアリティ』(エイデル研究所)副編集長。専門は、教育学、セクシュアリティ教育。著書・論文に『マンガワークシートで学ぶ多様な性と生』(子どもの未来社、2019)、『性の多様性ってなんだろう?( 中学生の質問箱)』( 平凡社、2018)、「教育実践学としてのクィア・ペダゴジーの意義」(『クィア・スタディーズをひらく1』晃洋書房、2019)などがある。 *このほか、艮、田代、渡辺の共訳で『改訂版 国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(ユネスコ編、浅井春夫、艮香織、田代美江子、福田和子、渡辺大輔訳、明石書店、2020)がある。 (”人間と性”教育研究協議会HPより引用) 監修者 医学監修 高橋 幸子(たかはし さちこ) 産婦人科専門医、社会医学専門医。埼玉医科大学医学教育センター、埼玉医科大学病院産婦人科で助教を兼担。一般社団法人日本家族計画協会クリニック非常勤医師。おもな著書 『サッコ先生と! からだこころ研究所 小学生と考える「性ってなに?」』(2020 年、リトル・モア)など 出版社 エイデル研究所 発売日 2022/11/3 定価 2,500円+税 内容紹介 性教育は、子どもたちに伝えるのが難しい…そう思っていませんか? 子どもたちに性について考えることの大切さを教えたい。でも、どう語れば、子どもたちに伝わるだろうかー。 そんな性教育の伝え方の悩みに応えるべく、本書が出来上がりました。 公立中学校で12年間積み重ねてきたこの実践には、子どもたちが性について学び、考え合うことのできる、「性教育の伝え方」のポイントが詰まっています! ■本書でわかる性教育の伝え方 ✔子どもの反応に対する 教員のリアルな返答がわかる! ✔子どもが引き込まれる 授業の展開が見える! ✔「目からうろこ」の性教育が実現できる、 資料・データの活用方法がわかる! (エイデル研究所HPより引用)
- 📚『包括的性教育:人権、性の多様性、ジェンダー平等を柱に』
【書籍名】 包括的性教育:人権、性の多様性、ジェンダー平等を柱に 【著者】 浅井春夫:1951年京都府生まれ。日本福祉大学大学院(社会福祉学専攻)修了。東京の児童養護施設で12年間、児童指導員として勤務したのち、白梅学園短期大学、立教大学コミュニティ福祉学部の教員となる。現在、立教大学名誉教授、“人間と性”教育研究協議会代表幹事、同「乳幼児の性と性教育サークル」事務局長、『季刊SEXUALITY』編集委員、全国保育団体連絡会副会長、日本思春期学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 【出版社】 大月書店 【発売日】 2020/10/17
- 📚『Q&A多様な性・トランスジェンダー・包括的性教育 バッシングに立ちむかう70問』
書籍名 Q&A多様な性・トランスジェンダー・包括的性教育 バッシングに立ちむかう70問 著者 【編著】浅井春夫、遠藤まめた、染谷明日香、田代美江子、松岡宗嗣、水野哲夫 【執筆者】多数 出版社 大月書店 発売日 2023/12/15予定 内容紹介 トランス排除を煽るネット上のデマや誤解、陰謀論をファクトに基づき検証。LGBTQへの差別や恐怖を利用し包括的性教育を攻撃する右派のバックラッシュを許さないために、当事者・専門家らが結集したコンパクトなQ&A集。 (大月書店のページより引用)
- 📚『なぜ学校で性教育ができなくなったのか 七生養護学校事件と今』
(あけび書房のページより引用) 書籍名 なぜ学校で性教育ができなくなったのか 七生養護学校事件と今 著者 包括的性教育推進法の制定をめざすネットワーク (編集) 出版社 あけび書房 発売日 2023/11/6 内容紹介 性の多様性、包括的性教育、子どもの権利など現在の課題の原点にある七生事件を振り返る。推薦荻上チキ(評論家)性教育の失われた時代ーー。それは、放置して遅れたわけではなく、意図的に奪われてしまったものだった。その背景を浮き彫りにし、未来について考えるための、総まとめ。前に進むためにこそ、「読む・わかる・動かす」に参加してください。山口智美(モンタナ州立大学、人類学)障害を持つ子どもたちと向き合う七生養護学校での「こころとからだの学習」は、右派勢力に攻撃され、捻じ曲げられ、多くのものが奪われた。学校現場は萎縮し、性教育が広がらない状況は今も続く。貴重な教育実践や裁判の記録、現場の声から歴史を知り、包括的性教育の実現に向け現状を変えていくための書。 推薦の声 荻上チキ(評論家) 性教育の失われた時代ーー。それは、放置して遅れたわけではなく、意図的に奪われてしまったものだった。その背景を浮き彫りにし、未来について考えるための、総まとめ。前に進むためにこそ、「読む・わかる・動かす」に参加してください。 山口智美(モンタナ州立大学、人類学) 障害を持つ子どもたちと向き合う七生養護学校での「こころとからだの学習」は、右派勢力に攻撃され、捻じ曲げられ、多くのものが奪われた。学校現場は萎縮し、性教育が広がらない状況は今も続く。貴重な教育実践や裁判の記録、現場の声から歴史を知り、包括的性教育の実現に向け現状を変えていくための書。 (あけび書房のページより引用)
- 【終了】「包括的性教育」の実現をめざす集会🗓2023年11月25日
七生「性教育バッシング」から20年ー勝利判決から10年 「包括的性教育」の実現をめざす集会 主催 包括的性教育推進法制定をめざすネットワーク(準備中) 日時 2023年11月25日(土) (第1部)午後2:00〜3:45 (第2部)午後4:00〜5:00 場所 エデュカス東京 7階 大会議室 最寄り駅:四ツ谷駅・市ヶ谷駅下車7分 地下鉄有楽町線麹町駅下車2分 参加費 無料 その他 ZOOM配信有 詳細 チラシをご覧ください
- 💡GAHAKU gallery 開設!
GAHAKU gallery のページができました。[メッセージ] → [GAHAKU] 。 想いを発信する方法は言葉だけではありません。アートの声も感じてください!
- 井上惠美子さんから応援メッセージ
📣 応援メッセージ 「LGBT理解増進法」(2023年6月成立)に端的に示されるように、日本の学校教育でも、すべての人が生まれながらにして権利を持っており、その人権を国家が保障しなければならないという人権教育がなされず、個人間の「思いやり」教育にすり替えられがちではないだろうか。だからこそ、性の問題を人権の基礎に位置づけた教育がこれほどまでにバッシングを受けてきたのだと言える。性教育の発展を目指すということは、人権教育の創造に資するといえるし、性教育・人権教育を求める国民的大運動が必要だと思う。この大運動の核になるのが包括的性教育推進法の制定である。そのためのネットワーク結成に大いに期待している。 👤 井上惠美子さん フェリス女学院大学
- 橋本紀子さんから応援メッセージ
📣 応援メッセージ 2023年のグローバルジェンダーギャップ指数が146カ国中125位という日本では、ジェンダー平等社会を実現するための取り組みの一つとして、子ども、若者だけではなく大人も含めた全世代が科学と人権にもとづく包括的性教育について学び、実践するという点があげられる。「包括的性教育推進法」制定をめざすネットワークの結成は、その課題を遂行するための第一歩である。今後の粘り強い運動に期待し、共に努力したい。 👤 橋本紀子さん 国際婦人年連絡会、女子栄養大学名誉教授
- 🔖 七生養護学校「性教育攻撃事件」とは?
突然始まった「性教育」攻撃 2003年7月2日、東京都議会で「最近の性教育は、世間の常識とはかけ離れている」 としながら、「ある養護学校では」と七生養護学校の自主教材「からだうた」を取り上げま した。石原都知事は「事例どれを見ても、あきれ果てる…異常な何か信念を持って、異常な指導をする先生というのは、大きな勘違いをしている」と答弁、これが「七生の性教育攻撃」の始まりでした。 2日後、3人の都議と同調する区議や市議が産経新聞を伴って、都教委の指導主事らを同行させ「視察」と称して学校に来たのです。性教育教材や授業資料が置かれていた保健室に入り、仕事をしていた養護教諭に教材を出すよう指示。都議たちは、七生の性教育を全否定 しながら「あんた、どこの大学出てるの?」「馬鹿なんじゃない!」と養護教諭に罵声・恫 喝を浴びせ続け、更には、教材である人形の下半身を露出させ床に並べ、写真撮影をしたの です。都教委、校長らは都議の言動をただ見ているだけでした。この時、保健室を訪れたある高等部生徒が、授業ではありえない異様な光景に驚き「先生がいじめられてる」と助けを求め教室に戻ったのです。なんと!これらのことが、子どものいる時間に起こったのです。 この保健室での3〜40分ほどの出来事を、多くの教員たちが知ったのは放課後になってからです。都議たちからの暴言を浴び、恐怖のために泣きながら報告をしてくれた養護教諭の2人。ようやくここに至り、大変なことが起こっていると教員たちは理解したのです。 翌日、7月5日の産経新聞朝刊には「過激性教育 都議ら視察」と大きく載り、「まるでアダルトショップのよう」といった都議の言葉も紹介されていました。 以降、不適切性教育と決めつけたうえでの一方的な全教員への聞き取り調査、「学校経営アドバイザー要綱」が突然決まり、第一号として七生養護学校に着任し校長室を居場所としながら、職員会議や校内の見回り、数名の指導主事が連日来校、不当処分の強行や通達など怒涛の日々でした。その間、教員たちはなぜこの教育実践が必要であったのか、どんな思いで子どもたちと向き合ったのか、説明する機会を一度も与えてはもらえませんでした。授業を見てもらう機会も、子どもや親たちの声を聞いてもらう場もないばかりか、都教委の結論に質問することさえ許されなかったのです。常に動きや発言を見張られ脅しの続く日々に教員たちは疲弊し押しつぶされそうになりながらも、分断されないために放課後には集まり、情報を共有し、お互いを勇気づけ合っていました。そして、学校の中だけでは闘いきれないと、保護者や地域の方たちとも連携を取り、学校で起きていることを外部に伝え広めるよう動き始めていったのです。 裁判・闘いを通し見えてきたこと 学校に登場した都教委副参事から「寝た子を起こすな」の言葉が出たのには驚きました。七生の子どもたちは「寝て」なんかいませんでした。むしろ、簡単に手に入る性情報にどう対応したらよいのか困っていました。思春期を迎えれば、障害があっても、からだもこころも変化していきます。変化の時期や仕方に違いはあっても、多くの子どもたちが通る道です。子どもによっては、性に関する興味や好奇心が旺盛になります。その時に無防備に入ってくる刺激的な映像や画像などの情報に、混乱が増すのです。副参事の言葉は、子どもの実態からかけ離れた偏見でしかありません。 また、その後の闘いの中で見えてきたことは、政治家による力の支配です。学校教育を自分たちの思想で支配し従属させる、そこには子どもへの思いは全くありません。偏った思想を持った議員と当時の都知事、都教委までもがその手先となって起こしたのが、七生養護学校事件なのです。性教育攻撃という政治介入をした議員グループのトップにいたのが安倍元首相であったことは、2005年に発足した「過激な性教育、ジェンダーフリー 教育実態調査プロジェクトチーム」の座長となっていたことからも明らかです。自民党本部で立ち上げのシンポジウムが開かれ、壇上には七生を攻撃した都議、七生に赴任した学校経営アドバイザーも参加し発言をしています。会場内では、過激性教育教材として七生の教材を中心に展示されていました。彼らは、日本の新自由主義化と軍事国家化を推し進める上で、ジェンダー視点での思想や運動を封じ込める必要があり、性教育は重要な標的であったのです。結果、民主的学校運営と性教育の両方が壊され、奪われたのです。 ⚪︎⚪︎⚪︎裁判については「🔖 七生「「性教育」バッシングに抗して」⚪︎⚪︎⚪︎
- 🔖 包括的性教育とは?
包括的性教育ってなんだろう? 🔶 「包括的性教育」という用語は最近よく目にし、耳にするようになってきました。Yahoo! JAPANで検索しますと、2億3300万件がヒットします(2023年9月7日現在)。これほど多くヒットするまでになっています。包括的性教育の内容は書籍や絵本、研修会などでだんだんと理解が広がっていると感じていますが、学校や子どもの居場所などで、子どもたちにもっと語っていくことができるようにしたいですね。 たくさんの課題とテーマに対応する 🔷 包括的(ほうかつてき)と性教育が合体した包括的性教育って、なんでしょう。包括的というのは、さまざまな課題を落ちこぼすことなく対応するという意味を持っています。 性教育のイメージは、これまで学校の保健体育などで学んだ月経・射精、性器のしくみ、妊娠・出産などに限定されるのではなく、もっともっと多様で、幅広い課題を学ぶことが用意されています。 具体的な課題をあげますと、人間関係、多様な家族、友情、愛情、恋愛関係、親になること、価値観、人権、文化、ジェンダーの理解、ジェンダー平等、暴力、同意、バウンダリー(境界)、からだの権利、虐待、プライバシー、ICTの安全な使い方、意思決定、コミュニケーション、性情報、メディアリテラシー、援助と支援、生殖、(前期)思春期、ボディイメージ、セックス、セクシュアリティ、生涯にわたる性、性的行動、妊娠、避妊、健康、HIVとエイズ、ケアとサポート、性感染症リスクの理解など…、人の成長・発達と日々の暮らしのなかで起きる問題すべてに対応できることをめざしている性教育です。いまの学校のカリキュラムでは全部を勉強することはなかなか難しいですが…。もっと性教育の授業時間があるといいですね。 年齢に応じたプログラムを展開 ◇ たとえば、ユネスコ編「改訂版国際セクシュアリティ教育ガイダンス」(以下、「ガイダンス」)では、学習の基本的な柱(キーコンセプト)として、 人間関係 価値観、人権、文化、セクシュアリティ ジェンダーの理解 暴力と安全確保 健康とウェルビーイング(幸福)のためのスキル 人間のからだと発達 セクシュアリティと性的行動 性と生殖に関する健康 が設けられています。 それぞれの柱に即して、4つの年齢グループごとに(①5~8歳、②9~12歳、③12~15歳、④15~18歳以上)学習目標が立てられており、繰り返し学習するしくみになっています。そうして「学習者ができるようになること」が列挙されることで、すべての年齢に応じてオールラウンドに学ぶことができます。 ただし、「ガイダンス」は、0歳から4歳までは学習年齢となっていません。こうした空白課題を具体化することも私たちの課題として研究をしたいものです。 包括的性教育までの道のり 🔷 「性教育」といっても、その内容はいろいろとあります。決して性教育とはいえない内容ですが、結婚や婚約をするまでは“純潔”(セックスをしない)でいることを、ひたすら教え込む宗教や特定の考え方をおしつける❶純潔教育があります。 また、性行動がさまざまな性のトラブルを生じさせることを強調する❷性の恐怖教育=性恐育、性脅育が現在もみられます。たとえば、インターネットで広がっている「テクノブレイク」もそのひとつです。マスターベーションをしすぎると死ぬ!という情報がまことしやかに流されているのもその一例です。 さらに、現在の日本でまだ影響が残っているのが、❸「抑制的性教育」の考え方です。性教育は「寝た子を起こす論」という誤った認識によって、必要な学びの課題を制限する性教育の考え方があります。性教育の内容で、学習指導要領に記載されている、いわゆる「はどめ規定」は2か所あります。ひとつは小学5年の理科「人の受精に至る過程は取り扱わないものとする」、もうひとつは中学1年の保健体育科「妊娠の経過は取り扱わないものとする」という記述となっています。どうして教えないこととなっているのか、いまだにその理由は明確にされていないのが日本の性教育政策の現状です。性教育の内容にだけ、はどめ規定を設けることで、性教育をすすめることにブレーキをかけていることも大きな問題です。私たちはこうした学習指導要領における“はどめ規定”の撤廃を強く求めています。 そのうえで❹包括的性教育が欧米において、1980年代から確実に世界の性教育のスタンダード(標準)としての位置を築き、世界の性教育をレベルアップさせているのです。世界の国々で包括的性教育は、それぞれの国の状況に応じて発展・進化してきているのが現状です。 こうした❶〜❹の内容が、世界においても、日本においても混在しているのが実際ですが、確実に包括的性教育はその実践の効果が評価されており、日本でどのようにすすめていくのかが求められています。 世界の英知を集めた包括的性教育 🔷 包括的性教育は、今日までの世界の性教育実践と研究の英知を集めた現在進行形の科学と人権をベースにした性教育です。ユネスコやWHO、ユニセフ、国連人口基金などが協力してまとめた性教育のガイダンスで、各国の性教育実践と研究に大きな影響を与えています。 包括的性教育の学びは、そう簡単ではありません。わかりやすく説明する努力と工夫をしながら、やはりこれまでの性教育実践を踏まえて、新しい知見を学ぶ努力と性教育実践を具体化することにチャレンジする勇気が問われているのではないでしょうか。 ぜひ、包括的性教育の理論と実践をともに学びあいましょう。 現在、国際的スタンダードとなっているのは「改訂版国際セクシュアリティ教育ガイダンス」で、その内容については、ユネスコ編、浅井、艮、田代、福田、渡辺訳『改訂版国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(明石書店、2020年)、および浅井春夫、谷村久美子、村末雄介、渡邉安以子編『「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」活用ガイド』(明石書店、2023年)を参照されたい。 また、わかりやすく包括的性教育を説明した浅井監修『パンでわかる包括的性教育』(小学館クリエイティブ、2023年)は、多彩なイラストに解説をしていますので、参考にしていただければと思います。 包括的性教育を自らの持ち場で切り拓いていくためには、大いなる学びのチャレンジが求められているのではないでしょうか。